■ 2024年11月は札幌での例会を開催予定です。
(会場または主催者の都合で変更または中止することもあります。参加希望の方は直前にこちらで確認してください。)
■ ミーティングの前に個人向けカウンセリングを行うことも可能です。
個別相談をご希望の方は下記のメールアドレスまでご連絡ください。(有料で1時間3000円です)
函館では2015年5月から「こんとん」の月例ミーティングを始めて、10年目の2024年5月で175回を超えました。
最近は3人〜6人くらいで集まって、日常生活の困りごとや職場の悩みについて話をしています。
常連さんの一人が「毎月の例会は喫茶店でお茶を飲んで、お菓子を食べて楽しくおしゃべりしているような感じで、いつも楽しみにしています」と言ってくれました。
とてもうれしい感想です。時々は深刻な話も出るけど、楽しい例会になるように気をつけています。
このミーティングは発達障害の当事者を対象にしています。診断を受けてない人であっても、自分の困りごとがひょっとして発達障害のせいかな、と思っている人なら、参加を歓迎します。
参加することで、それぞれの参加者がかかえている困りごとがすぐに解決するわけではないですが、同じようなことで困っている人が多いので、他人のやり方が参考になることもあると思います。
こんとんは会員制の会ではなく、毎回参加する義務もありません。都合の良いとき、気がむいた時だけ参加してください。
会場は千代台の青年センターを使っています。
◆ 函館での会費は夏〜秋は300円、冬〜春は400円です(会場暖房費のため)
オープンダイアローグという技法があります。最近、まんが やってみたくなるオープンダイアローグという本を読みました。オンラインのセミナーにも参加してみました。
フィンランドの精神病院で始まったものですが、
『依頼があったら「24時間以内」に精神科の「専門家チーム」が出向く。そこで患者・家族・関係者をまじえて、状態が改善するまで、ただ「対話」を続ける』
というものです。その「対話」とは医師や心理士、看護師という肩書を外して名前で呼び合うもので、特に結論を出そうとせず「対話を続けることを目的として」続けていく。
そうすると、そのうちに病気が良くなっていく、というもののようです。
いろいろ調べていると、こんとんでいつもやっているミーティングとの共通点もあります。いったん「治療者側」と「患者側」という壁を外して「治そう」というのを止めた時に「ひとりで治っていく」というようなものであるようにも思えます。
もう一冊読んでいるのは以前、函館でも講演をした信田さよ子さんの「家族と国家は共謀する」です。
国家による暴力としての戦争体験、家族内暴力としてのDVなどについて書いている重いテーマの本です。DVや虐待は「こころの問題」ではなくて、支配=被支配という「権力の問題」であるというのが私の受け取った感想です。
私の考えでは、二つの本は「どうやって他者を支配(コントロール)しないで一緒に生きることができるか」という点で共通しています。暴力、セクハラ、パワハラ、いじめなど多くの問題の根源には、「他者を自分の思い通りに支配しようとする欲望」があると思います。
世の中全体で「俺がえらいんだから俺の言うことを聞け」という人ばかりが目立ちますが、必ずしもそれがうまくいってないことも気になります。権力を背負った命令ではなく、対等な立場での対話が必要なのだと思います。
「はっきりしない中途半端な状態に耐える能力が必要」ということがわかりました。これはキャリア理論の「クランボルツ・計画された偶発性理論」とか、橋本治の「わからないという方法」とかと通底するものに思えます。で、それであればこれはADHDタイプの人には相性の良い話だと思います。
ある会合でお会いした「ガジュマルつがる」の松本さんの本が文庫化されました。角川文庫ですのでお近くの書店に入荷していると思います。
「今日の健診でみた自閉症の子も、お母さんバリバリの津軽弁なのに、本人は津軽弁しゃべんないのさ」
――津軽地域で乳幼児健診にかかわる妻が語った一言。
「じゃあ、ちゃんと調べてやる」。
こんなきっかけで始まった「自閉症と方言」研究は10年に及び、関係者を驚かせる結果をもたらすものとなった。
方言の社会的機能を「意図」というキーワードで整理するなかで見えてきた、自閉症児のコミュニケーションの特異性に迫る。
元版を出した福村書店からは、続編が発行されてます。これはおおきな書店には入っていると思います。
山月記というのは、中島敦が1942年(昭和17年)に書いた短い小説です。高校の教科書に載っていることも多く、なんとなく覚えている人も多いでしょう。中島敦は代々漢学者の家に生まれましたので、この小説も漢文崩し調で言葉が難しいので苦手に思う人もいるかもしれません。
私は最近になってから山月記を読み直し、「ああ、この話は自分のことを書いていたのか」と気づいてびっくりしました。おおざっぱにまとめたあらすじを書きます。
『中国の唐の時代、李徴(りちょう)は、若いころから秀才で東大から公務員試験一種(みたいなの)に合格し、中央官庁に採用されてエリート官僚となります。ところが本人はプライドが高くて、俗物の上役にペコペコすることが耐えられません。おれは詩を書いてビッグになるんだ、とばかりに役所をやめて地方にいって作家生活に入ります。
しかし、詩はさっぱり売れず窮乏します。やむなく妻子のために地方の公務員に就職しますが、昔、バカにしていた部下や同僚が上役になっていてプライドの高い李徴にはとてもつらい状況になります。ある日、出張の際に突然に発狂し、なにやらわからないことをつぶやきながら走り去ってしまいました。』
その後、李徴は虎になった姿で旧友と再会します。以降、詳しくは原文(著作権フリー)のものを読んでみてください。
「山月記 青空文庫PDF版」
私が痛い、と感じたのは以下の部分です。
もちろん、かつての郷党(きょうとう)の鬼才といわれた自分に、自尊心が無かったとは云いわない。
しかし、それは臆病(おくびょう)な自尊心とでもいうべきものであった。
己(おれ)は詩によって名を成そうと思いながら、進んで師に就(つ)いたり、求めて詩友と交って切磋琢磨(せっさたくま)に努めたりすることをしなかった。
かといって、また、己(おれ)は俗物の間に伍(ご)することも潔(いさぎよし)としなかった。
共に、我が臆病(おくびょう)な自尊心と、尊大な羞恥心との所為(せい)である。
「発達障害はプライドの障害」と言われることもあるくらいで、「できること」と「できないこと」の開きが大きい発達障害を持つ人はさまざまな傷つきやすさをもっています。それが、回りとの関係を難しくしています。中島敦が「お仲間」であったかどうかはわかりませんが、80年も前に書かれたこの文章には、その時間を超えてまっすぐに響いてくるものがあります。学校や仕事で失敗して引きこもってしまっているの気持ちに、すごく近いのではないでしょうか?
そして、そのプライドの障害は虎に変身しかねない危険なことでもあるようです。
こんとんは発達障害の当事者の会ですが、引きこもりやうつなどで悩んでいる方、話をする人がいなくて居場所を探している方などの参加も歓迎いたします。
お茶を飲み、お菓子を食べてしゃべっているだけですが、悩み事や話しにくいことを無理に話す必要はありません。話をしたければする、したくなければ黙って聞いているだけという参加でも良いのです。一度きたら毎回来なければならないということもありません。都合の良い時に、いつでもご参加ください。
【札幌・函館共通した「こんとん」の約束ごと】
1)遅刻も早退も自由です。都合の良い時に参加してください。
2)参加時にはお名前を教えてください。仮名、あだ名、ハンドルでもかまいません。
3)例会で聞いた他人の話は、他の場所で話さないでください。安全な居場所を守るためにお互いに気をつけましょう。
4)話の輪に積極的に参加してください。まだ自分のことを話せない人は「パスします」と言ってください。
・当事者のためのミーティングですので当事者の自覚がある人は診断・未診断にかかわらず予約せずに直接来てくださってかまいません。ただし、具体的に困っていることがある場合、先にメールをいただいていると話が早い場合もあります。
・当事者の家族や支援者の参加は、事前にメールか電話をください。
当事者会ですので会場の後ろから様子を見るだけの「見学」というのは受けておりませんが、「自分もいろいろな人生の問題・悩みを抱えた当事者の一人」としての参加であれば歓迎いたします。上記の4つの約束事を守っていただき、かんたんな自己紹介をお願いしています。
2014年: 1/26、3/15、5/18、8/2、9/6、11/15
2015年: 1/4、3/21、5/17、6/20、7/19、9/4、12/6
2016年: 1/4,3/12,5/28,7/27,7/28,9/30,12/5,12/6
2017年: 1/4,1/22,3/8,4/30,7/16,9/24,11/25
2018年: 1/14,2/24,3/11,4/14,5/19,6/3,7/2,8/12,9/29,10/21,10/22,11/18,12/15
2019年: 1/5,2/10、3/21,5/6,6/16,7/20,8/25,9/22,10/19,11/17,12/13,12/14
2020年: 2/15,2/16,(休止),7/25,8/23,9/20,10/19(休止)
2021年: (休止),3/13,(休止),10/16,11/6,12/4
2022年: 1/15,2/6,3/13,4/24,5/15,6/12,7/10,8/12,9/10,10/16,11/5,12/10
2023年: 1/15,2/19,3/25,4/29,5/21,6/11,7/23,8/20,9/23,10/14,11/11,12/10,
2024年: 1/14,2/3,3/24,4/27,5/19,6/16,7/7,8/18,9/23,10/19,11/10
2015年: 5/31,6/21,7/26,8/16,9/27,10/18,11/15,12/20
2016年: 1/31,2/21,3/27,4/17,5/22,6/19,7/24,8/28,9/18,10/16,11/13,12/11
2017年: 1/15,2/12,2/24(夜),3/19/,4/16,4/28(夜),5/16(夜),5/28,6/10,6/25,
7/8,7/24,8/11,8/24,9/16,9/25,10/10,10/28,11/5,11/23,12/5,12/23
2018年: 1/8,1/25,2/11,2/25,3/9,3/21,4/6,4/30,5/13,5/31,6/12.6/29,7/8,7/21,
8/2,8/20,9/9,9/21,10/5,10/28,11/8,11/25,12/7,12/23
2019年: 1/6,1/25,2/3,2/15、3/2,3/24,4/14,4/26,5/9,5/26,6/9,6/28,
7/13,7/28,8/12,8/23,9/9,9/28,10/12,1025,11/15,11/23,12/10,12/22
2020年: 1/13,1/26,2/11,2/29,3/15,4/12,4/25,6/6,6/28
7/12,7/29,8/15,8/26,9/6,6/26,10/10,10/25,11/10,11/29,12/13,12/22
2021年: 1/10,1/23,2/13,2/25,3/6,3/25,4/10,4/22,5/16,5/27、6/6,6/27,
7/23,7/31,8/15,8/26,9/5,9/19,10/10,10/26,11/11,11/28,12/12,12/23
2022年: 1/9,1/30,2/12,2/27,3/8,3/27,4/10,4/29,5/8,5/22,6/5,6/18,
7/16,7/30,8/14,8/28,9/15,9/26,10/8,10/23,11/12,11/24,12/4,12/17
2023年: 1/22、2/4,3/11,4/8,5/14,6/17,7/15,8/12,9/16,10/8,11/18,12/23
2024年: 1/28,2/25,3/17,4/21,5/12,6/8,7/21,8/12,9/15,10/14,11/17
なお、2017年は発達障害の支援者・家族に向けての講演を2回、2018年、2019年、2021年、2023年には各一回行いました。
また、2019年には「発達障害当事者会フォーラムin仙台」に当事者会として招かれました。2023年12月16日には北海道庁の『差別解消法道民フォーラム in 函館』でお話ししました。
電話による相談は9時〜21時までの間にお願いします。仕事(本業)の都合もあるので、長くなりそうな場合は夕方以降のかけなおしをお願いすることもあります。